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遺伝子組み換え作物是か非か?
★遺伝子組み換え食品は是か非か?

 昨年の秋、食糧難に悩むアフリカ南部のザンビアに、アメリカが緊急援助品としてとうもろこしを送ったところ、遺伝子組み換え「GM種」が混入していたとザンビア政府は受け取りを拒否した。アメリカは「自国でも食べているので安全だ」と言ったが、遺伝子汚染を恐れるザンビア側は飢えてはいてもこの援助を拒否した。新聞でも報道されたこのニュース、覚えていますか。
                                      
 前回の食21の例会でも、農作物流通のお話を講師の先生からうかがった後、熱い質疑応答が交わされ、遺伝子組み換え作物に対する不安がクローズアップされました。遺伝子組み換え食品は是か非か?あなたはどうお考えですか。

 遺伝子組み換えの研究が始まったのは今から20年前。最初は医薬品部門の研究から着手されました。「遺伝子組み換え食品」については、1994年にアメリカで日持ちを良くしたトマト‘フレイバーセーバートマト’が世界で初めて商品化され、その後、除草剤の影響を受けない大豆や菜種、害虫に強いとうもろこしや綿が商品化されました。

現在アメリカで生産されている大豆や綿の70%、とうもろこしの30%は遺伝子組み換え品種です。現在日本の食糧の60%以上は輸入に頼っていることを考えると、遺伝子組み換え食品抜きに日本の食糧供給は成り立たないのがいつわりのないところです。

 日本では、1997年に遺伝子組み換え技術でできた青いカーネーション'ムーンダスト’が最初に商品化された遺伝子組み換え植物として売り出されました。
                       
 これまで実用化された遺伝子組み換え農産物の多くは除草剤や病害虫に強い新品種であり、栽培農家の省力化を考えて種苗販売会社が中心となって開発したもので、自社の販売利益が優先され環境問題は二の次におかれています。いったん遺伝子組み換え作物を栽培するようになると、それに反対していた農民の田畑にもいやおうなしに花粉は飛んできます。知らないうちに在来種と交配し、日本中すべてが遺伝子組み換え作物になってしまう日も遠くないことでしょう。それどころか、除草剤に強い雑草や病害虫まで出てくるかもしれません。

 今、休耕地や空き地に広範囲にはびこっているセイタカアワダチソウは、最近になって日本に入ってきた外来種で、天敵のない日本の国土を破竹の勢いで占拠していきました。遺伝子組み換え農産物も同様に、水を得た魚のようにまたたく間に広がってしまうでしょう。
                          
 食品としての安全性を守るため、導入遺伝子の生産物であるたんぱく質のアレルギー性の検査、導入遺伝子の生態系に対する影響などについての研究が早急に求められてはいるのですが、今のところ納得できるようなデーターは出されていません。一刻も早くそれらの研究成果を一般の消費者に正確に伝え、こうした遺伝子組み換え食品に関する安全性の確保の仕組みを作り出すことが大切です。

 納得できる情報が得られないうちは、飢えてはいても、自国の生態系を守るため援助を拒否したザンビアを見習いたいものです。


★ 遺伝子組み換え作物の昨日、今日、明日

 1996年、カナダ政府が遺伝子組み換え作物(その代表的なものに菜種があります)の栽培を許可したとき、@収量が増える A栄養価が高い B農薬の使用量が減らせる、という3つの効果をうたい文句にして宣伝しました。しかし、期待に反してその2〜3年後の起こったことは、●収量低下 ●品質低下 ●除草剤の効かない雑草が発生し農薬の使用量は3倍に増えた、ことです。

 そうして除草剤の効かない雑草(これをスーパー雑草と呼んでいます)がはびこったかと言いますと、遺伝子組み換えで除草剤に対して抵抗力を持っている作物の花粉が、自然交配で周りに生えている雑草の中に入り込んでいったのです。このスーパー雑草は、ふつうの除草剤では効果がなく、農薬の使用量も今までの3倍も必要になりました。

 この現象は、菜種畑だけに留まらず、小麦、大豆などの他の作物の畑にも入り込み、じわじわ広がっています。

 これはカナダでの現実問題ですが、日本でも遺伝子組み換え作物が作付けされたら、あっという間に同じようなことが起こるに違いありません。遺伝子組み換え作物の是非が問われる今日この頃ですが、こういう事実も見逃さないで下さい。

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