アスパラガス


子供のころの記憶をたどると、アスパラガスは真っ白でした。今はグリーンアスパラガスが主流で白いものは人気がなく、ほとんど見かけることはなくなりました。出芽する前に盛り土をして白色軟化させたものがホワイトアスパラガスで、土寄せをせずそのまま生育をさせたのがグリーンアスパラガス。両方とも元は同じものです。

ヨーロッパ原産のアスパラガスは、江戸時代の終わり頃長崎に伝えられ、明治になって広く栽培されるようになりました。北海道などの冷涼な気象条件の土地に合い、初期は缶詰加工用のホワイトアスパラガスが主流でした。グリーンアスパラガスは昭和40年ころより出回り、最近はこちらがすっかり主流になりました。

アミノ酸の1種であるアスパラギン酸を多量に含んでおり、栄養価の高い野菜です。アスパラギン酸は生体内の代謝に重要な役割を果たす物質で、植物界に広く分布しており、1806年にアスパラガスのなかに初めて発見されたのが名前の由来になっています。また、アスパラは野菜の中でもたんぱく質と糖質が比較的多く、高血圧を予防し血管を強化するというビタミンのルチンは先端部に多く含まれています。グリーンアスパラガスはホワイトアスパラガスに比べ、カロチン、ビタミンB2、繊維質が多く旨味も強いのが人気の秘密のようです。

たくさん手に入ったときは、さっと茹でて冷凍しておくと、生のままで数日間冷蔵庫に入れておいたものより栄養や香りが長持ちします。

野菜の中では珍しい多年草で雌雄異株、地上部は毎年枯れてしまいますが、地下茎は枯死することはなく、毎年多くの太い若芽を出します。我が家でも栽培したことがありますが、毎年次々と芽がでて7年間くらい楽しめました。とりたてのアスパラガスの味は最高です。簡単に育てられるので種苗屋さんで根茎を買い求め、植えてみてはどうでしょう。