金時人参

 人参には西洋種と東洋種があります。ルーツをたどれば同じもので、もともとアフガニスタンの高原にあった野生人参をペルシア人が持ち帰って栽培したのが始まりで、そこから西に行ったのが西洋人参、シルクロードを旅して中国にわたったのが東洋人参というわけです。太短くてオレンジ色の人参がヨーロッパ種の西洋人参で、細長いものが東洋種です。金時人参は東洋種の代表で、深紅の色が料理に彩を添えるのにもってこいです。ひと昔前まで金時人参も店頭でよくみかけたものですが、細長い体形が輸送に不向きなため、西洋人参に取って代わられてしまいました。関西から九州にかけて栽培されていますが、関西人の好みに合うのか消費されるのは主に関西、それも大阪が中心です。大阪府の木津川付近で作られている人 参は「大阪人参」とも呼ばれているほどです。

人参はカロチンの含量の高いことで知られています。英語で人参のことを【キャロット】といいますが、これは【カロチン】からきています。金時人参は目が覚めるような赤色ですのでさぞかしカロチンの含量が高いと思いきや?あの赤色はトマトの赤色と同じく抗癌作用で知られるリコピンなのです。もちろんカロチンも含まれていますが、部位によって含量は違います。肩のところが最も多く、根っこの先にいくほど少なくなります。また、土から掘りあげて8~10日目ころよりカロチンが増えはじめ、その後2日くらいがピークで、後は日ごとに少なくなっていきます。

カロチンの効用としては、疲れやすい人の体力増強に有効で、粘膜保護作用があるため風邪の予防にも効果を発揮します。また、疲れ目にも良いようです。

人参にはビタミンCの酸化酵素が含まれているため、ビタミンCを含有する食材と一緒にするとCの効力が失われてしまう危険性があります。これを防ぐには、酢を加えるとか、熱をかけるなどして酵素の効力をなくすことが必要です。生の人参とビタミンCを多く含有する野菜のサラダにはちょっぴりすっぱめのドレッシングを使うようにするとよいでしょう。
カロチンの吸収を高めるためには、油料理がおすすめです。人参の精進揚げや中華の炒め物などはいかがでしょう。