独活(うど)


ウドは、ウコギ科の多年草で、日本原産の野菜です。江戸時代には、すでに野生種に土よせし、軟化栽培が行われておりました。

旬は春。とくに三月から四月が出盛りで、ウドの姿を見ると春の訪れを感じます。ところがこの数年、温室栽培のものがたくさん店頭に並ぶようになり、一月にすでに店先に山積みされたウドを見かけるようになりました。ウドだけではなく蕗のとうやたらの芽といった季節限定品であった山菜類も時期はずれに安価で手にはいるようになってしまいました。しかし、温室の軟化栽培のウドは、芳香、栄養分共に天然物にはかなわず、やはり本来の旬である季節に食べたい食材です。

ウドの栄養素の主体は糖質で、若芽には炭水化物、ミネラル、少量のタンニン、精油、酵素、ビタミンB2、Cなどが含まれており、和え物や野菜ジュースにすれば、特有の香りと苦味が食欲を増進させます。

この苦味には整腸作用、健胃作用があり、漢方では、体表の熱や毒をとる働きがあるとされ、関節の腫れや痛み、体毒を目標に用います。

ウドだけではなく、春先の野菜や山菜類は一般に苦味の強いものが多く(菜の花、蕗のとう、わらび)こういうものを食すことにより、寒気で機能が低下した胃腸に活力を与え、春の活動期にあわせ体を順応させる働きがあるとされています。ヒトが生きていく上で、環境に順応できるような体つくりを、自然の産物が助けてくれているのだとも言えます。

「ウドの大木」というように、大きくなると何の役にも立たないかと思われていますが、なんのなんの。成長するに従って、次から次へと出てくる新芽を指の先でつまんで天ぷらにすると、これまた美味。味や香りが似ているたらの芽もやはりウコギ科の植物で、山菜の女王とうたわれていますが、ウドの方がたらの芽より採取が簡単で濃厚な味です。8月のお盆前くらいまで、楽しめます。

くるみみそあえ
ウドは熱湯に湯をいれ、さっとゆがき、冷水でさます。酢の物、和え物、汁の実などにするとよい。生食の時は皮をむいて、うすく切り酢水につけてあくをぬき、サラダなどに使う。

くるみは、生のものを油であげるかフライパンでいり、すり鉢ですって、さとうとしょう油で味付けする。

下ゆでしたウドを好みの大きさにそぎ切りし、すったくるみとあわせみそであえる。(量は好みで加減して下さい)