Recipe-1:ほうれんそうの下処理


野菜の調理、実はこの下処理がめんどうなんですよね。ほうれん草は特にシュウ酸の含量が高く、たっぷりの湯でゆがかないとえぐみが残るという先入観があるので敬遠されがちですが、その点このちぢみほうれん草はあくが少ないので扱いは簡単です。ここではあくが強い普通のほうれん草にも応用できる下処理を説明します。野菜は天候によってずいぶん価格が違ってきます。いいものが安く手に入る時に少し多めに買って下処理して保存すると大変重宝します。すぐに調理しないときは根の部分を水に漬けて気温が上がらないところに立てておくと1週間くらいはピンピンしています。それ以上経つと葉が黄色くなり軸もかたくなってたけてきますのでやはり1週間を目安に使いきりましょう。

下処理


① ほうれん草は2束(1束が市販のものであれば約200gですが束の大きさは販売店によって違います。ここでは1束200gを目安に分量を計算しています。)400gを3〜4センチの長さに切って洗う。ザルにあげて水切りする。(根っこの赤い部分は栄養価が高く甘みがあっておいしいので使うといいのですが、どうしても砂がとれにくいので縦切りにしてこの部分だけ別にして2度洗いする。)ほうれん草は口の中に入れた時に砂が残っていてジャリッとくると食欲減退しますので、しっかり水洗いをして砂を落とすこと。今は水耕栽培で土がついてなくて、洗わなくてもいいようなほうれん草もたくさん出回っていますが、栄養面から考えて必ず土で育ったものを選んでください。

② できるだけ大きめの鍋、中華鍋か揚げ物する時に使う厚底の鍋にいため油(天ぷらなどに一度使った油で十分です)大さじ1を入れて熱し、煙が出る手前までしっかり加熱する。(ここで加熱温度が低いと出来上がりがべたつきます。日本人は油の加熱しすぎに抵抗感を持つ人が多いのですが、ここでは少々我慢して煙がたつ一歩手前を目安にしてください。)大きい鍋がない時には2回に分けて処理して下さい。

③ ①のほうれん草を茎の下の部分から2の鍋に一気に入れる。ジューン!と大きな音がするはずです。木ベラで大きく混ぜましょう。30秒後に残りの葉の部分を全部入れ、塩小1/2を入れて再び混ぜる。1分くらいでしんなりしたら火からおろし、たっぷりの冷水の中にあける。ひと混ぜしてすぐにザルにあける。(水の中にいったん浸けるのは油分を落とすためです。)軽く絞っておひたしその他色々な料理に使ってください(下処理A)。
いため料理、その他油が付いていても気にならないときは冷水の中にあける手順を省いて直接ザルにあけて水きりする(下処理B)。

以上、下処理A,下処理Bともに油を使った処理方法であまり一般的ではありませんが、もちろん普通にゆがいてもかまいません。多めに処理して水気を絞ってバットの上にパラパラ広げ、いったん冷凍庫で凍らせてから密閉用のビニール袋に入れ直して冷凍庫保管しておくと、青野菜がほしいときに重宝します。