野生の朝鮮人参


朝鮮人参の効用は昔から良く知られており、江戸時代には高齢のため健康を害した父親を救うため、娘が身売りして高麗ニンジンなどを買い与えた話など聞きますが、その頃使われていた野生の高麗ニンジンなど掘り尽くされてしまって今はなく、店頭に並んでいるのは栽培品ばかりです。栽培品でも、一昔前では6年物が良いとか言われていましたが、今では促成栽培が主流です。それも6年間栽培していたらとても大変なので、2年根が大部分を占めています。ビン入りのエキス剤が高価な値をつけていますが中身の程はさだかではありません。

私が漢方の勉強を始めた30年位前、野生のニンジンと栽培品とで成分の比較をしようという話が持ち上がりましたが、たまに見つかる野生のニンジンは一本100万円ともそれ以上ともいわれ、とてもそんな高価な試料を使っての研究はできませんでした。いまでも野生ニンジンの成分はわからずじまいです。