春菊


しゅんぎく(春菊)と、きくな(菊菜)はおなじもの??
 同じものであると言う人と、違うという人と両方あります。菊菜はもともと「京菊菜」と呼ばれる京都の伝統野菜で、春菊は広島県などで栽培されていたもののようです。葉の切れ込みの細かさ、葉の厚さなどに違いがあることから、はじめは違うものであったのが、最近ではほとんど区別されなくなっています。特に、大阪ではまったく同じものとして店頭に並んでいます。春菊とかかれたコーナーにも菊菜とかかれたコーナーにも同じものが並んでいるのです。サニーレタスとレタス、下仁田ねぎと九条ねぎの違いと考えてください。

 春菊は軟弱野菜の代表で、日持ちが悪く長距離輸送に適さないので、大都市近郊で多く生産されています。関西、とくに大阪の堺、東大阪は春菊の産地として有名です。大阪では長居公園の近くで春菊を専門に栽培している西野孝仁さんという方がおられ、(ホームページ:kuidaore-osaka.com)当会でも講師をお願いしました上野修三氏が主催する「浪速魚菜をたべよう会」にも参加され、大阪の伝統野菜のよさをひろめ、生産に取り組む農家の活性化を図ろうという活動を行っておられます。西野さんは外食した際、春菊の料理が出されたら、自分の畑から出荷されたものかどうかが、判るそうです。
 春菊は鍋物に欠かせませんが、ちょっと目先の変わった食べ方として、生産者西野さんの奥様お勧めの美味しい春菊料理を紹介します。

○春菊のナムル:春菊を食べやすく切り、塩もみする。汁を絞り、たべる直前にごま油とゴマで和える。
○春菊と豚肉の炒め物:春菊を食べやすく切りさっと湯がく。豚肉とともに炒め、塩、醤油で味付けする。
○春菊とツナのサラダ:春菊を食べやすく切り、さっと茹で、ツナを加えマヨネーズで合える。
 緑黄色野菜の代表で、カロチン(ビタミンA)、ビタミンB2、カルシウム、鉄分を多く含む栄養価の高い野菜です。特にビタミンAは春菊を100g食べると1日の必要量が摂れます。白米に欠乏するアミノ酸の一種「リジン」の含量が高いのも特徴です。
 保存方法は、ぬらした新聞紙に包み、冷蔵庫に入れるのが一番ですが、鮮度の低下が著しく、3日の間にビタミンCは半減してしまうので早めに食べることをお勧めします。