くわい


昔は、河内一帯の田んぼの畦にどこにでも見かけられたのが、「くわい(慈姑」です。最近はめっきり見られなくなりました。

正月前は、「目が出るように」という縁起をかついでおせち料理に使われるので、びっくりするほどの高値の高級野菜です。正月がすぎるやいなや一盛いくらの安値に落ちてしまいます。
このように正月だけの食材としか考えられていませんが、ちょっとひと工夫して安値のこの時期に食卓にのせてやってください。

先日行った料理屋さんのさき付けとして、昆布で編んだ小さな籠の中に入って出てきたくわいせんべいの美味しかった事。

そういえば母が好きだったふきよせおかきの中にも、くわいせんべいが必ずはいっていたっけ。

中国から渡来したくわいは平安時代から貴重な野菜として栽培されてきました。

主成分はでんぷんですが、ビタミンB1、リンが比較的多く含まれています。シュウ酸石灰を含んでいて独特の苦味があり、これを除くため茹でこぼす必要があるので、面倒がられて敬遠されるのでしょうか。
米のとぎ汁で茹でこぼしするとあく抜きにはなおよろしい。

くわいせんべい
生のまま皮をむいて薄切りにし、水に放ってあくを抜き、水気をよくきってから油で揚げます。
密閉容器に入れて冷蔵庫にでも入れておくと長持ちします。
酒の肴にももってこいです。